中医学とは
中医学とは、約3000年もの長い歴史の間の臨床実績に基づいた、中国伝統医学です。
中医学では、体や心はバランスを崩した時に病気になるとされます。その崩れたバランスを食や起居養生、薬や鍼灸などさまざまな治療で、元のバランスのとれた状態にすることで改善すると考えられています。
バランス(=「中」庸)を求める医学なので中医学なのです。
中医学の知恵をもとに、心も体も中庸(バランスの取れた)の人が増え、その人の可能性を最大限に引き出せたら、きっと気持ちの良い毎日になることでしょう。
そして、元気で機嫌のいい人であふれる社会は、争いごとのない、平和な社会へなっていくでしょう。
中医学の原則
1.人間は自然の一部である
人間は自然に逆らって生きていくことはできないということ。
自然にそった養生法が、病気の予防、回復につながるということ。
2.人間の体は1つながりである
臓器・器官は別々に存在するわけでなく、1つながりになっているということ。
不調があったら、その部分のみを治療するのではなく、体を全体的に診て治療をする。不調の部分だけでなく、他の部分も改善することで体質が改善することになります。
また心と体もつながりがあると考えらていて、たとえば、怒ってばかりや、悲しんでばかりいるなど、1つの感情ばかりに偏ると、バランスを崩しそれが不調のもとになるとも考えられています。
3.オーダーメイド医学
例えば頭痛なら、みんな同じ薬を飲めばいいわけでなく、その体質・症状によって選ぶ薬や食べ物、養生法も違ってきます。
一人一人に合わせた、オーダーメイドの医学なのです。
4.未病先防
検査の数値に現れない、「なんとなくの不調」も病気としてとらえ(未病)、それらを体に現れるサイン(爪、舌、汗、尿、便など)から自ら読み取り、誰よりも早期発見ができるので、予防や初期段階での改善ができます。
薬膳とは?
特別な薬膳食材だけでなく、スーパーで売っている身近な食材にも、全ての食材には、体の調子を整える、何らかのチカラがあります。
中医学の考えをもとに、バランスの崩れたところを見つけ、食べ物のチカラで元の中庸の状態にもどすことを薬膳といいます。
例えば、お腹が冷えているから、生姜のすりおろしをお湯に入れて飲んだら、ポカポカ温まったら、この生姜湯が立派な薬膳となります。
また、季節により、不調が出やすい体の部位があります。そこを食べ物のチカラで補っておくことが病気の予防にもつながります。